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2012年08月08日

仙台上映レポート

仙台上映レポート

2012年8月4日、「わたしたちの夏」が仙台にて上映されました。暑いけれど青空のきれいな夏の日でした。 場所は仙台市内、青葉城近くにあるギャラリー・ターンアラウンド。現代アートギャラリーです。
上映後、監督自身による詩の朗読・映画に出演されている千石先生との対談もあるということで、暑い中たくさんのお客さまに来ていただきました。ギャラリーというアート空間での上映は珍しく、新鮮な驚きに満ちた上映会となりました。

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少し狭い空間の中で、電車の音・俳優さんの台詞・音楽・水の音などが映画館にはないリアリティーと迫力を持って聞こえました。
真っ白な壁面に投影された映像は監督自身が言われたように、色彩が美しく(特に緑!)映し出され、ギャラリーの白い壁面には、福間監督の詩やその断片が印刷された黒い文字で、まるで浮き立っているかのように貼られています。かつて美術学校でも教鞭をとられていた千石先生は、「まるでコンセプチャルアートの会場にいるみたいですね」とおっしゃっていました!

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上映会のあとは福間監督自身による詩の朗読があり、肉声を伴う言葉たちは生きもののようにギャラリー空間にこだましていました。
その後、映画のなかで大学の先生役として出演されている千石英世先生と福間監督の夢の対談へとつづきました。司会は仙台で俳句を中心に活動している関根かなさんです。

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千石先生と福間監督は大学院時代からのご友人で旧知の仲。
お互い少し気恥ずかしそうにされているお二人の素敵なお話が聞けました。
「僕は福間さんに言われたとおりにしただけでしたが、出来上がりを観ると『こんなことになっていたのか!』と思いましたね」
と映画における編集の重要性を感じた、ということを話されました。
福間監督は「千石先生の授業シーンはいつもの授業そのままを撮りました。先生の姪っ子・まり子役の松本さんと千石先生は別々に撮っているので、撮影では会っていないのです」と、映画制作プロセスのマジックを語り、いくつかの制作エピソードを聞けてびっくりしたり、なるほど、というふうに納得したりで、会場のお客さんからは笑いや拍手が起こりました。
お二人が共通して言われたのが映画のなかで主要なトーンとなっている、色彩としての「緑」の重要性でした。そして「女性」の役割り。女性の強さだけではなく、腹をくくった覚悟や、現実を直視する毅然としたまなざしを「サキ」の眼が語っている、といった話が聞けました。

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監督の次回作「あるいは佐々木ユキ」にも出演される千石先生の「役者」としての今後の活躍も期待されます。福間監督と千石先生との篤い友情がお互いのクリエイティブな活動にどれほど影響し合ったのかが窺える、とても貴重な対談となりました。

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わたしたちの夏仙台上映実行委員会 
宣伝スタッフ:今村・安部
写真撮影:安部



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2012年07月07日

横浜上映レポート 3

横浜上映レポート 3

1週間は早いものですね。ジャック&ベティでの上映も最終日を迎えました。今日のゲストは今泉力哉監督です。
今泉監督には、昨年8月のポレポレ東中野での公開のときにもゲストで登場していただきましたが、福間監督が「いま一番話したい監督」ということでお願いして、横浜まで来ていただきました。
今泉監督は、2005年ごろから短篇作品を精力的に発表し始めて、2010年『たまの映画』で長篇デビュー。2011年の『終わってる』が高く評価され、そして前評判の一段と高い『こっぴどい猫』が公開を目前に控えています。今年は『nico』や『ヴァージン』(オムニバス)も前後して公開中で、その才能が加速度的に開花してきている監督です。

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すでに『わたしたちの夏』を2回も観てくださっている今泉監督ですが、今日もぜひ観たいとのことで、劇場で十数回目(もっと?)の福間監督とともに鑑賞してから、トークにのぞんでくださいました。

今泉監督「3回目を観て、観るたびに印象の強いところの数が多くなると思いました。内容も見せ方も、自由だなあとあらためて感じましたね。音と画をバラして作るというか……。何回も観ることでマイナスになっていく映画もありますよね。でも『わたしたちの夏』は、回を重ねることでおもしろくなる映画ですね。今回、映画のなかの現在、つまり2010年がとてもリアルに感じられました。不動産がいまは高く売れないこととか、サキの就職とおばあちゃんのこととかがすごくリアルでしたね。2009年はたった1年前のことだけど、すでに過去というか……。とにかく今日はすごく感動しました」
福間監督「いやー、カメラマンがすごいんですよ。1日の中で2009年と2010年を撮ったりするわけだから、それだと今じゃないだろ、みたいにね。でも、僕は今日、自分で感動したらおかしいけど(笑)、みんなのおかげでここまでの作品ができたんだなあとあらためて思った。監督は大したことやってないんだよね」
今泉監督「スタッフに任せられなくて、全部自分で、という監督もいますよね」
福間監督「いろんな人の考え方が入って、ゴールが見えないのがいいよね」

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今泉監督「それと、キャスティングがうまいですよね。脇の人、芝居ではなく存在として選んでいる。歌手志望の人、よかったですね」
福間監督「今泉くんとツイートで話してるんだけど、表現というのは、何かを言おうとしてるのではなく、表現したいからなのだ、みたいなことだよね」
今泉監督「そうなんですよ。先にテーマありきとかハナから何かを伝えるために作るとかだと、表現としては狭く小さくなると思うんですよ」
福間監督「そうだ、そうだ! ぼくは、ただ詩を書きたい、映画もただ撮りたい。高校生のときからずっとそう考えてる、そのことが表現として何かに出るんだよね」
今泉監督「ぼくは偶然性が好きですね。撮影しててたまたま写りこんでくるもの、たとえば本当なら邪魔なはずの自転車が横切る、それがいいんですよね。その偶然性から、編集どうやってるんだろうというようなものが生まれてくる」

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二人の映画青年の熱い話は尽きません。
最後に、梶原支配人から新作について、と促されました。
「7月28日から新宿K’sシネマで公開される『こっぴどい猫』は、15人の男女の七つの三角関係の物語です!」と断言する今泉監督。キャーッ! そうだったんですか!
すかさず福間監督「そうよ、じつは、そういうふうに世界はなってるんじゃないの?」。
それと、もうすぐJ&Bで公開になる『ヴァージン』は、「オムニバスの1本ですが十代の処女喪失の物語です。なにか3.11にふれたいと思ったところもあったので、主人公の誕生日を3月11日にしました」と今泉監督。
完成間近の次作『あるいは佐々木ユキ』の編集を今日もやっていたという福間監督。「これもまたJ&Bで上映してもらえたらうれしいなあと思ってます」。
中身の濃い今日のトークに、客席から熱い拍手をいただいて、二人の監督は退場しました。
今泉監督、どうもありがとうございました。

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ジャック&ベティでの『わたしたちの夏』の7回の上映。観てくださった方の多くはたぶん初めてだったと思うのですが、観終わった表情には、戸惑いよりも充足感がただよっていた……と思うのは、わたしの驕りでしょうか。
梶原さんはじめ、ジャック&ベティのスタッフの皆さん、たいへんお世話になりました。
これからもまた、どうぞよろしくお願いします!

それにしても、お隣の中華料理店「聚香園」はおいしいです!
この夜も終電までのわずかな時間でしたが、福間監督は言うにおよばず、今泉監督も「うまいなあ!」を連発! 皆さん、J&Bとセットでどうぞ。若松監督もお気に入りだそうです!

宣伝スタッフ ハマノベティ
写真撮影 松島史秋




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2012年07月05日

横浜上映レポート 2

横浜上映レポート 2

7月4日水曜日。ジャック&ベティでの上映も、はや5日目です。今夜のゲストはラッパーのTAKUMA THE GREATさんです。
もう長年ヒップホップを聴きつづけている福間監督は、今年の初めに、そのジャンルに詳しいある編集者に「日本では誰がおもしろい?」と尋ねたところ、「TAKUMA THE GREATが一番ですよ」と教えられたそうです。それをきっかけにTAKUMAさんのファンになった福間監督。TAKUMAさんは、横浜それも黄金町を拠点に活動しているラッパーです。ジャック&ベティ=黄金町=TAKUMAさん! というわけで、ぜひとも上映中にゲストで登場してもらいたい! その願いを、支配人の梶原さんがかなえてくださって、今日の日を迎えることができました。

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初対面の福間監督とTAKUMAさん。親子以上にも年がはなれ、決して小柄とはいえない福間監督が小さく思えるほどTAKUMAさんは大きい。ふだんより狭く見えるロビーで、ちょっと緊張気味にあいさつしているふたりは、なんだかほほえましいのです。

さて、拍手で迎えられてトークが始まりました。
「普通につないでるところのないような映画ですが、どうでしたか?」と福間監督はTAKUMA さんに尋ねます。
「正直なところ、むずかしかったですね。大学の授業で学生たちが話しているところ、僕も含めて戦争を知らない世代が、ギャップを感じながらもいまに通じるものを考えている。僕は台湾と日本のハーフなので、戦争を知らなくても意識させられて育ったようなところがありますね。千景とサキと庄平の人間関係のあり方がおもしろいと思いました。どこか自分の生い立ちとダブるようなところもあって。最終的に千景とサキに希望がある、そこにほっとしました」とTAKUMAさん。
福間監督は、「そう感じてもらえてうれしい。戦争や原爆、9.11や3.11の直接の被害者でなくても、その気持ちを共有できるということを、普通に生きている千景とサキも庄平の死を通して感じることとして描きたかった」と話しました。そして、サキがヒップホップを踊るシーンの話になって、じゃーん!! TAKUMAさん、アカペラで1曲歌ってくださったのです!

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「コガネチョウ!」で始まる「Sumeba Miyako」。こんな環境の中で生きている自分を表現したかったと言うTAKUMAさん。
「赤い電車のむこうに見える野毛の山……低いビルの谷間……オレの知らない昭和の匂いの残る町をチャリで走る……人が住めば町は変わる、問題は人のココロのあり方、確かな気持ちはどこにある……」
うーーーん! 黄金町でこの歌をナマで聞かせてもらえることの、この至福!
感激の福間監督「TAKUMAさんは、まず、声がいいんだよねー」。「この歌を聞いたとき、撮影は自分の住んでる場所から出発する、というのがやはりあったんだなあと思った。そこでどう生きるか」。話はどんどん展開していきます。

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家庭では台湾語を話すことをしつけられて育ったTAKUMAさんは、東南アジアの各地にも行き、高校を中退してLAに3年半いたときにヒップホップを本格的に始めたそうです。日本語、台湾語、北京語、英語の4カ国語を自在に操る。たしかな耳。ヨコハマの下町が育てた柔軟な国際性と不良性。そして、日本人がなかなか身につけられない、自分の意見をきちんと言うこと。それらを自然に身につけた自分の表現=ヒップホップをとおして、人間と、この世界とかかわっていきたいというTAKUMAさん。5月に出たセカンドアルバム『The Son of The Sun』は、死や不幸をのりこえてみんなの太陽でありたい、そう思って付けたタイトル。大きいのはその身体だけでなく精神もなのです。
感動しっぱなしの福間監督。上映はあと2日ですが、ぜひお友だちにすすめてください、と添えてトークの幕を閉じました。

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今日は、決してたくさんのお客様ではなかったのですが、なんと驚いたことに、すべての方がTAKUMAさんのCDを買っていかれたのです! もちろん『わたしたちの夏』のパンフレットもです。並んでサインを待つお客様に、TAKUMAさんも福間監督もうれしそうに応じている姿がとてもすてきでした。濃い出会いの、黄金町の夜でした。

最終日7月6日(金)は、新作『こっぴどい猫』の公開を間近にひかえた今泉力哉監督をゲストに迎えてトークします。ぜひともご来場ください!

宣伝スタッフ ハマノベティ
写真撮影 松島史秋




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