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2012年08月14日

鹿児島上映レポート

鹿児島上映レポート

8月10日、11日、12日の3日間、鹿児島ガーデンズシネマで『わたしたちの夏』は上映されました。前線の影響で雷雨あり、強い日ざしありの暑い熱い南国鹿児島。ところがそのおかげで風向きが変わり、夏の鹿児島名物(?)桜島の灰には遭遇しないという稀有な3日間でもありました。それにしても、晴れたときの桜島は、何度見ても雄大でりりしい!
福間監督は、友人の多いこの土地を何度も訪ねていますが、今回は7年ぶりで、夏は初めて。上映のおかげで、久しぶりに大好きな鹿児島に来ることができました。

鹿児島ガーデンズシネマは、もともと自主上映会などを行なっていた鹿児島コミュニティシネマが、天文館にあるマルヤガーデンズというショッピングモールの7階に、2年ほど前に開設したミニシアターを借りて運営している劇場です。黒岩美智子支配人とスタッフを中心に、大勢のボランティアスタッフが交代で日々の仕事を支えています。キャパ39の小さな劇場ですが、心地いい椅子と新しい映写環境がととのったすてきなミニシアターです。
いま、映画をとりまく状況はきびしくなるばかりで、とりわけ地方都市では、気がつけばシネコンだけになっていたなんてことがあちこちで起こっています。そういうなかで、ほんとうに観たい映画を自分たちの力で上映することを、地域と連携して出発したガーデンズシネマというわけです。

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このたびの『わたしたちの夏』の上映は、詩人福間健二の長いファンでありご自身も詩人である鹿児島市在住の I さんが、広島での上映を観てくれて、自分の街でもぜひ上映したいと思ったことから、ガーデンズシネマとの交渉の末に実現したものです。映画にとってこんな幸せなことはありません。I さんとコミュニティシネマのみなさんのおかげで、3回の上映には毎回満席に近いたくさんの方がいらしてくださいました。

さてさて、毎回トークを行なった福間監督には、客席からは感想も質問もたくさん寄せられました。
支配人の黒岩さんから「千景さんを演じた吉野晶さんがすばらしかったですが、この映画はまず役者があったのですか、それともストーリーが先にあったのですか」という質問がはじめに出されました。監督は「まず吉野晶さんと小原早織さん、それから鈴木常吉さんが決まって、そこから日本の夏をテーマに考えていった」と答えます。
そして黒岩さんは、詩人が撮った映画ということで、出水市から観に来てくださった詩人の岡田哲也さんに感想を求めました。岡田さんと福間健二は、詩人として古くからお互いを知っている間柄です。「いまを生きている人は、原爆や戦争を体験しなくても『水が欲しい』という渇き感をどこかで持っている。それをよく表現している。また庄平という存在には、何をやっても喜べない・悲しめないといういまの閉塞感がよく出ていると思った」などと話されました。

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『わたしたちの夏』の撮影は、奇しくもちょうど2年前の8月10日、鹿児島初日と同じ日。福間監督が「日本の夏」のキーワードとして考えた汗・原爆・死者・お盆。その2年後の現実の8月のお盆のなかでの上映ということでした。
「いろんなことに気づかされるものがあちこちにあって、原民喜の本を読みたいと思ったし、広島の聞き語りについても、とても興味を惹かれた」。
「花や緑がとてもうつくしかった。お盆は亡くなった人に会いたい時期でもあり、この時期にこの映画に出会えてよかった」。
「劇場で映画を観たのはほんとに久しぶりだったこともあるけれど、外側から見えるものから、自分の内側にあるものを強く意識させられたことに驚いた。いい機会をありがとうございました」。
「映画ってこういうものだと考えていなかった。とても新鮮な気持ちになりました」。
「身近なもの、花とか空とか緑とかが、映像と音によってこんなにも生命力を持って映るのだと、あらためて気づかされた」。
福間監督が「内容」ではなく表現したいと思っていることへの反応が、観た人それぞれの角度から話されました。

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そして、今回の上映の立役者とも言うべき I さんも2日目のトークのお相手をして下さいました。
「広島で観て、何回も観たいと思った。ガーデンズシネマに話をして、夏に上映できたらいいと思っていたことが実現できてうれしい。学生のとき岡山で福間さんの朗読を聴いて、自分も詩を書きたいと。詩は詩集で自分の家で何度でも読めるけれど、映画は劇場でしか観れないから、たくさんの人に見てもらいたいと思った。詩も映画も一期一会かなと、いつも感じています。夏に観て、『会いたい死者がいる』と千景さんが言うところ、親しい友人が去年亡くなったこととクロスしました。『わたしたちの夏』の『わたし』が漢字でないところに、広い意味での『生きているものの夏』を改めて意識させられました」と、I さんは話しました。

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たくさんの方の声を聞かせてもらって、福間監督は語りました。
「どんな詩を書きたいとか、どんな映画を作りたいっていうのは、ぼくにはあまりないんですよね。いま生きていることをかたちにしたいと考えているから、詩も映画も同じなんですね。でも、映画はひとりでは作れない。たくさんの人の力が合わさって、ひとつの作品が生まれる。そのことを回を重ねるごとに思うし、ぼくはいいスタッフに恵まれていることも強く感じています。親しい鹿児島で、暑い夏のさなかに上映してもらえて、うれしかったです。次の『あるいは佐々木ユキ』もぜひまた鹿児島で上映できて、また皆さんとお会いできますように!」。

鹿児島の皆さん、ガーデンズシネマの皆さん、そして I さんご夫妻、ほんとうにありがとうございました。

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12日、鹿児島最後の夜は、親しい友人がやっている店「吉次郎」で朗読会を行ないました!
ちょうど、郷里の鹿屋市に帰省していた国立の詩人小山伸二さんも参加してもらっての1時間。
二人とも気合いが入ってましたね。「吉次郎」は時々ライヴもやっているお店。言葉と声が客席とひとつになって店に響きました。すばらしかったです! 聴きいる、というのはこういうことなんだなあ……。暑さも吹き飛びました!

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ここにもたくさんの方が足を運んでくださり満席。かさねて、ありがとうございました。
トーゼン、鹿児島の夜はいつまでもつづいたわけで、鹿児島恒例「健二の舞踏」も久々に登場して、全員おなか抱えて笑いころげました!
吉次郎とあかねちゃん、お世話になりました!
必ずまた行くよ、鹿児島!


宣伝スタッフ へちま娘
写真撮影   小山伸二+へちま娘









posted by tough mama at 15:07| Comment(0) | イベントレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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