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2012年07月05日

横浜上映レポート 2

横浜上映レポート 2

7月4日水曜日。ジャック&ベティでの上映も、はや5日目です。今夜のゲストはラッパーのTAKUMA THE GREATさんです。
もう長年ヒップホップを聴きつづけている福間監督は、今年の初めに、そのジャンルに詳しいある編集者に「日本では誰がおもしろい?」と尋ねたところ、「TAKUMA THE GREATが一番ですよ」と教えられたそうです。それをきっかけにTAKUMAさんのファンになった福間監督。TAKUMAさんは、横浜それも黄金町を拠点に活動しているラッパーです。ジャック&ベティ=黄金町=TAKUMAさん! というわけで、ぜひとも上映中にゲストで登場してもらいたい! その願いを、支配人の梶原さんがかなえてくださって、今日の日を迎えることができました。

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初対面の福間監督とTAKUMAさん。親子以上にも年がはなれ、決して小柄とはいえない福間監督が小さく思えるほどTAKUMAさんは大きい。ふだんより狭く見えるロビーで、ちょっと緊張気味にあいさつしているふたりは、なんだかほほえましいのです。

さて、拍手で迎えられてトークが始まりました。
「普通につないでるところのないような映画ですが、どうでしたか?」と福間監督はTAKUMA さんに尋ねます。
「正直なところ、むずかしかったですね。大学の授業で学生たちが話しているところ、僕も含めて戦争を知らない世代が、ギャップを感じながらもいまに通じるものを考えている。僕は台湾と日本のハーフなので、戦争を知らなくても意識させられて育ったようなところがありますね。千景とサキと庄平の人間関係のあり方がおもしろいと思いました。どこか自分の生い立ちとダブるようなところもあって。最終的に千景とサキに希望がある、そこにほっとしました」とTAKUMAさん。
福間監督は、「そう感じてもらえてうれしい。戦争や原爆、9.11や3.11の直接の被害者でなくても、その気持ちを共有できるということを、普通に生きている千景とサキも庄平の死を通して感じることとして描きたかった」と話しました。そして、サキがヒップホップを踊るシーンの話になって、じゃーん!! TAKUMAさん、アカペラで1曲歌ってくださったのです!

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「コガネチョウ!」で始まる「Sumeba Miyako」。こんな環境の中で生きている自分を表現したかったと言うTAKUMAさん。
「赤い電車のむこうに見える野毛の山……低いビルの谷間……オレの知らない昭和の匂いの残る町をチャリで走る……人が住めば町は変わる、問題は人のココロのあり方、確かな気持ちはどこにある……」
うーーーん! 黄金町でこの歌をナマで聞かせてもらえることの、この至福!
感激の福間監督「TAKUMAさんは、まず、声がいいんだよねー」。「この歌を聞いたとき、撮影は自分の住んでる場所から出発する、というのがやはりあったんだなあと思った。そこでどう生きるか」。話はどんどん展開していきます。

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家庭では台湾語を話すことをしつけられて育ったTAKUMAさんは、東南アジアの各地にも行き、高校を中退してLAに3年半いたときにヒップホップを本格的に始めたそうです。日本語、台湾語、北京語、英語の4カ国語を自在に操る。たしかな耳。ヨコハマの下町が育てた柔軟な国際性と不良性。そして、日本人がなかなか身につけられない、自分の意見をきちんと言うこと。それらを自然に身につけた自分の表現=ヒップホップをとおして、人間と、この世界とかかわっていきたいというTAKUMAさん。5月に出たセカンドアルバム『The Son of The Sun』は、死や不幸をのりこえてみんなの太陽でありたい、そう思って付けたタイトル。大きいのはその身体だけでなく精神もなのです。
感動しっぱなしの福間監督。上映はあと2日ですが、ぜひお友だちにすすめてください、と添えてトークの幕を閉じました。

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今日は、決してたくさんのお客様ではなかったのですが、なんと驚いたことに、すべての方がTAKUMAさんのCDを買っていかれたのです! もちろん『わたしたちの夏』のパンフレットもです。並んでサインを待つお客様に、TAKUMAさんも福間監督もうれしそうに応じている姿がとてもすてきでした。濃い出会いの、黄金町の夜でした。

最終日7月6日(金)は、新作『こっぴどい猫』の公開を間近にひかえた今泉力哉監督をゲストに迎えてトークします。ぜひともご来場ください!

宣伝スタッフ ハマノベティ
写真撮影 松島史秋




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2012年07月03日

横浜上映レポート 1

横浜上映レポート 1

6月30日(土)から横浜シネマジャック&ベティでの上映が始まりました。
梅雨の最中ではありますが、夏はすぐそこまで来ています。横浜黄金町の『わたしたちの夏』はどんな顔を見せてくれているのでしょうか。
上映2日目の7月1日(日)は、映画の日で日曜日、ということで、大勢のお客様がいらしてくださいました。この日は上映後に、福間監督とサキちゃん役の小原早織さんが舞台挨拶しました。

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学生の小原さんはこの映画の初公開のころ、フランスに留学していたので、劇場で見るのは今日が二度目。壇上では、挨拶代わりに冒頭「編集、変わりましたか?」と監督に質問。
いえいえ、小原さん、変わってませんよ。
でも『わたしたちの夏』は、何度も見てくださった方から、同じようなことをよく言われるのです。物語よりも映像の断片の記憶が、その時々で異なるからでしょうか。観れば観るほどスルメのように味が出てくる作品、と自画自賛することにしましょう!

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挨拶を終えてロビーに出た福間監督と小原さんは、お客様が買ってくださったパンフレットにサインしました。それから1Fのカフェでの「交流会」へと移動。「交流会」は毎月1日映画の日に、ジャック&ベティが開催しているものです。運よく上映が映画の日を含む1週間になったことで、この恒例の催しを知ったわけですが、これは上映する側にとっても観客にとっても、とても有意義なものですね。

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この日は、ジャック&ベティ常連の方が多かったのでしょうか。若い方から年配の方まで25人ぐらいの方とともに、なごやかなで活発な会になりました。
「白い衣装の女性は、この世とあの世の境に生きている。この存在がすばらしいと思った。千景はあの世から『おいで、おいで』と呼ばれているけれども、女性は『バスで帰るのよ』と生の側に引き戻そうとしている」
「説明を極力はぶいてあって、映像から受け取るものの大きい映画だと思った。森のシーンが何回か出てくるが、とても暗示的な空間ですばらしかった」
「ラストのところ、千景が助けを求めてサキに電話し、サキがドアを開けて出ようとしたときに、祖母が呼び止める。このワンクッションが、現実的でよかった。助けに行くのか行かないのか、どうなるんだろうとハラハラする。だから最後、水がとてもさわやかだった」
「父役の常吉さんが居候しているアパートや外の印象、また彼の風貌などから、かつての70年代を常吉さんの中に感じた」
などなど、これまでに出されなかった感想も含めて、興味深い意見や質問が飛びかいました。

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交流会の最後に支配人の梶原さんから、福間監督の次作『あるいは佐々木ユキ』についての紹介を促されました。『あるいは佐々木ユキ A Fairy Tale』は、小原早織さん主演の、福間監督長篇第4作で、完成を間近にひかえています。
「はじめは、モナリザから取ってスマイル、を主題にしていたけれど、結局はそうはならなかった。どんどんホンは変わりましたね。もうひとりの佐々木ユキが登場したり、人魚ひめの物語が出てきたりします」と小原早織さん。そこに「小原さんは、サキちゃんと印象が違うけれど、それは芝居がしっかりしてるからですか」という質問。
「自分では、大げさな芝居はやっていなくて、自分に近いところが多いんですけど」と小原さん。
福間監督は「どんな映画でも、役に人をはめるというのはダメだと思う。その人を引き出しながら、結果はわからないところへ向かっていく、それがぼくのやり方です」。
それに応えるように「ゴールがあるのはおもしろくないですね」と小原さん。
さて、小原さんの「佐々木ユキ」は、どんな少女になっていくのでしょうか。

横浜ジャック&ベティでの『わたしたちの夏』は7月6日(金)まで、連日20時15分から上映がつづきます。どうぞこの機会をお見逃しなきよう、黄金町に足をお運びください。

7月4日(水) 上映後トーク TAKUMA THE GREATさん×福間監督
7月6日(金) 上映後トーク 今泉力哉監督×福間監督

宣伝スタッフ ハマノベティ
写真撮影 松島史秋 





posted by tough mama at 16:01| Comment(0) | イベントレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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