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2011年12月23日

渋谷上映レポート 2

トークゲスト 池田香代子さん

12月21日(水)。アップリンクでの『わたしたちの夏』再映も、すでに5日目。今回の上映でのゲストは女性ばかり。福間監督、とても楽しそうです。
今日のゲストは、いま、さまざまの問題についての発言が注目され、講演会などに引っ張りだこの池田香代子さん。あの『ソフィーの世界』の翻訳でも有名なドイツ文学者です。

さて、その池田さんと福間監督は、なんと高校・大学が同期なのです。
15歳のときからおたがいを知っていたという間柄ですが、大学卒業後、きちんと再会したのは、1995年の福間監督長篇第一作『急にたどりついてしまう』を池田さんが見に来てくれたときでした。ちょうど『ソフィーの世界』が大ベストセラーになっていたころです。

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『急にたどりついてしまう』については、自分の足のウラを見るような感じだった、と池田さん。中央線沿線に長年住んでいる自分には、昔からずっと知っている雰囲気に出会って、なにか、恥ずかしくてしかたなかったそうです。
『岡山の娘』は、カシ(河岸)を変えたので、ちょっとホッとした。
そして『わたしたちの夏』が、いちばん好き。どうしてかっていうと、これも中央線の映画ではあるけど、仲間うちのあそこではなく、普遍性へとつきぬけていると思った。
そんなふうに、池田さんは、かつての同級生の「成長」を楽しそうに語りました。

「映画の世界は、職人芸っていうところがあるでしょう」という池田さんに対して、「そうなんだよね。『急にたどりついてしまう』は、スタッフが全員プロで、自分ひとりが素人。プロとのたたかいになった」と福間監督。「それと反対に、『岡山の娘』は、アマチュアのなかに自分ひとりがプロという感じでやった。どちらも大変だったけど、『わたしたちの夏』は、カメラと編集と音という要所にプロをおくというかたちになった」と説明しました。

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池田さんは、「二人の女性がすばらしい」と語りました。そして、鈴木常吉さんと室野井洋子さんを昔から知っているという話も。
「映画って、人とのつながりでやっている。人とつきあうというのがベース。そこからさらにまた人とつながってくる。おもしろいよね」と福間監督。

話は、予定の時間をオーバーして、どんどん展開していきました。
日本人が感じている夏、生命力の一方にある濃い死の影、それをあらわす「人外境」としての森の色調の素晴らしさ……。とても書ききれません。

「中央線、高架になって、原民喜が身を横たえたころの線路の風景とはちがってしまってるよね」
「だから、線路は南武線で撮った」
「バス停の標識に cielito lindo って書いてあるよね」
「きれいな空、つまり天国に通じるバスだから。あれは、ぼくが自分で書いたんだ」
「生きている千景さんは、乗り遅れるなよって言われる」
「そう、バスで帰ってこなくちゃいけない。その帰ってこさせる力はなにかっていうこと」
「帰ってこさせる力? あ、わかった気がするわ」
と、二人の対話は、『わたしたちの夏』に核心に迫っていきました。

「福間クンの女性観が見えてくるね。とても心地いい映画だった。豊かな時間をすごせました」と池田さん。
「なにか、ものを言おうとすると、立場がどうだとか、そういうことを言っちゃいけないとかってことがあるけど、そんなことはない。感じたことを言っていいんだというふうにしたかった」と福間監督。

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「団塊の世代はつまらない」と、団塊世代の二人の意見が一致。
最後に、福間監督がこれから編集するという次の作品『あるいは佐々木ユキ』のことも語られました。
二人の話は、そこで終わりではなく、そのあと、居酒屋さんに場を移してつづきました。
この日が63歳の誕生日だったという池田さんを祝う乾杯からはじまって、なんと4時間近く、二人は、高校時代からのあれやこれや、映画のこと、社会のことを語りあいました。
「なにごともあきらめない」でやっていく二人。すごいです!

宣伝スタッフ あっぷるちゃん
写真撮影 酒井豪





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