topimage-cut.JPG

2011年12月18日

渋谷上映レポート 1

ポエトリーリーディング&舞台挨拶

冬の東京に、夏の音と記憶が戻ってきました。12月17日より渋谷アップリンクにて、『わたしたちの夏』、1週間の再上映です。初日の今日は、監督と主演の吉野晶さんによるポエトリーリーディング&舞台挨拶が行われました。福間監督、お久しぶりですね。そして、待ってました、吉野さん!

ほの暗いアップリンクの会場に、監督が登場するやいなや、すぐに朗読が始まります。「書いてしまえばいいのに待ってしまう」…監督の最新詩集『青い家』を読んだ方ならすぐ思い出せますね。タイトルにもなった「青い家」です。続いて同じく『青い家』より、「あらしの季節」が続きます。

アップリンク初日-1.jpg

よくわからないし、なんだか難しいし…と、つい逃げ腰になりがちな現代詩の世界ですが、朗読された詩の言葉たちは、不思議なくらい耳にはっきり残ります。そして、そのフレーズのかけらたちが描く点を結びあわせた先に、そう、段々と『わたしたちの夏』のあのシーン、このシーンが浮かび上がってくる気さえしてきました。論理ではないものに、心と身体を委ねる。それは一見あやうく、おぼつかない、不安げなことかもしれませんが、一度身をまかせてしまえば、いままでと異なる新しい世界がみえてくる。そんな風に感じられてきました。

監督の朗読が、16年前の『急にたどりついてしまう』から「いま」、新作「きみのために詩を書くよ」と続いたところで、今度は吉野さんの朗読です。『青い家』から、「もう言いあいもできない」、そして劇中でも読まれていた「夏の言い分」。読み終えたあと吉野さんより、この「夏の言い分」という作品、撮影中はナレーションかと思っていた、という印象的なお話がでました。確かに! 福間監督の映像作品ならではのエピソードですね。

アップリンク初日-5.jpg

そしてイベント最後に読まれたのは、これまた劇中でも読まれていた「きみたちは美人だ」。劇中鈴木常吉さんこと庄平が読むこの詩は、短くアレンジされたものでしたが、今回は元々の ヴァージョンでの朗読です。劇中ではカットされた部分を福間監督が、劇中で読まれた部分を吉野さんが読みます。

実は朗読の前に監督より、「この作品、僕の詩のなかでもわからない詩の代表的な存在です」との告白がありましたが……うーん、本当にわからない! なのに、なぜか言葉に耳が吸いよせられてしまいます。そういえば、劇中でもこの庄平の朗読はかなり印象的なシーンです。日常と非日常の境目に、ぽんっと放り込まれてしまったような、奇妙な時間が流れます。二人の朗読は、劇中のこの朗読のシーンを、そしてひいては『わたしたちの夏』全体に流れるそれぞれの記憶(それは千景やサキたちにとっての記憶だけではなく、この映画をすでにみている観客たちの記憶でもある)につながっていきます。

上映後の舞台挨拶では、監督より改めて「会心作です!」との言葉がでました。冬にみる、夏の画、夏の音、夏の光。過ぎ去った時間とたいせつな人たち。もしかしたら夏にみる以上に、わたしたちを夏の記憶へといざなってくれるのではないでしょうか。一度みた方もそうでない方も、ぜひ渋谷アップリンクまでお越しください! 12月23日(金)までです。

アップリンク初日-8.jpg


宣伝スタッフ ぶーやん
写真撮影 松島史秋






posted by tough mama at 16:18| Comment(0) | イベントレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。