topimage-cut.JPG

2011年09月30日

東中野上映レポート 18

トークゲスト 今泉力哉さん

9月29日(木)。空も高くなって、秋の気配が濃厚になってきました。『わたしたちの夏』はロングランに入ってから、若い映画監督を迎えてのトークがつづいています。
今日のゲストは今泉力哉さん。今年30歳の今泉監督は、2005年ごろから自主映画をつくりはじめて、短篇映画祭で賞をとるなどを経て、2010年に話題になった『たまの映画』で商業デビュー。そして2011年、青春Hシリーズの『終わってる』が高く評価されています。
福間監督は『終わってる』を見終わって興奮し、劇場にいた今泉監督に駆け寄って「面白かった! すごくよかったよ!」と声をかけました。それから、今泉監督が『わたしたちの夏』の試写に来てくださり、ツイッターでのやり取りがあり、今日のゲストにという関係です。

今泉 IMG_0060.jpg

「2回目を見て、新しい発見がありましたね」と今泉監督は話しはじめました。
「プールのシーンのあたりからひとつひとつのカットが長くなっていって、庄平と千景が一緒になるあたり、ゆったりしたテンポが流れて、それから後半はまた前半のテンポに戻る。この緩急がよかったですね」
それに対して福間監督は「トーンを決めてしまうのは面白くないから、編集ではそのへんが一番苦労した」と答えます。
「それと画と音の関係。水滴の音などが効果音的に入れられているのに、前は気づいてなかった」と今泉監督。「音は、そのときの音として残るんだけれども、画をなぞらない音、画にぶつかる感じがおもしろいんじゃないかな」と福間監督。

そして今泉監督は、役者について言います。「金網にもたれている白い服の女性。1回目も2回目も、すごく強烈な印象ですよね。常吉さんにしても、役者が芝居っぽくないのがいい。自分もいつもそうやりたいと思ってるんです」。
「『終わってる』も、まるで芝居してないようにやってるよね。映画って、役者である人間がそこに本当に生きているようにやってくれればいい。それをカメラが撮ってくれて、編集がある。監督の仕事はその場の空気を撮ることで、女優がかわいいとか思ったりね(笑)」と福間監督。
「ファインダーの外にある動きや空気、雰囲気を見てる方がいい。でもあとで、エッ!? って思うこともあるけど……」と今泉監督は苦笑い。
今泉監督と福間監督の現場を覗いてみたくなってきましたね。

今泉 IMG_0072.jpg

「ところで、福間さんはカメラマンに怒ったりしないんですか?」ちょっと聞きにくそうに、今泉監督が尋ねました。
「インする3日前にケンカしたんですよ。それがお互いによかったかなあ」と福間監督。
「鈴木一博さんの作品は、どれもいい画ですよねえ。授業の風景ですが、あれはどんなふうに撮ったんですか」
「あれはヌキなしで3回同じ授業をやってもらって、それをイッパクさんは3通りの撮り方をした。あとは、編集の秦くんに『残したいのは何?』と言われて、いい顔を残していった。でもドキュメンタリー的な『いい顔』とはちがうよね」
「僕も、ヌキでなくすべて撮るを基本にしています」と今泉監督はうなずきました。

さて、今泉監督の新作です。『こっぴどい猫』という作品が、ある映画祭のお披露目で上映されるとのこと。脚本も編集もご本人です。そして、11月初めには短篇を撮ることが決まっているそうです。
「『終わってる』のよさは、そんなふうに撮りつづけることのよさが出てるのかな」
撮りつづけること。そのことの意味を噛みしめるように福間監督は言って、共通項の多いふたりのトークは終わりました。

今泉 IMG_0089.jpg


「底辺でいさせて 映画監督 今泉力哉HP」 
http://www.imaizumirikiya.jp/works.html

宣伝スタッフ クーちゃん
写真撮影 酒井豪



posted by tough mama at 12:20| Comment(0) | イベントレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。