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2011年09月17日

東中野上映レポート 13

トークゲスト 前田弘二さん
       高田亮さん


9月15日(木)のゲストには、『婚前特急』が大きな話題を呼んだ、前田弘二監督と脚本の高田亮さんがご登壇下さいました。

★前田弘二監督のツイッターより抜粋
〈『わたしたちの夏』は、やりたいこと全部を自由に詰め込んでいきながら、凄いことやっているアピールは一切見えず、むしろ当たり前のように表現している。同時に全ての映画を受け入れ認めているようにすら見える。映画の可能性に戦いながら物語をみずみずしく奏で、未知なる感動に行き着く。
自分と他人。生きてる者と死者。過去と現在。世の中。それらすべてが同居している世界。そんなに詰め込んだらチリチリになりそうなのに、全てが一つの強い塊となって観客の心を打ってくる。なんて獰猛な映画なんだろう。福間監督の欲望はほんとにおそろしい。あぁ、体感してほしい。日本にもこんなに素晴らしく過激な映画があることを。
今、映画の未知なる領域へ向かっている最先端は、ホン・サンス監督、イ・チャンドン監督、福間健二監督、この三方だと勝手に思ってます。〉

★同じく前田弘二監督のツイッターより、脚本家・高田亮さんの感想
〈『わたしたちの夏』この世とあの世の境界線があやふやになっていくような壁が取り払われていくような感動と、生きている人は生きたいから生きるのではなくて単にあの世から拒絶されているだけというような強く反発されるような断絶感があってそれが悲しいし、それが本当だと感じました。
そしてこれからを生きる若者のサキが原爆や9・11やお盆や文化や親の人生や今までのことすべてを背負わされることが重荷だし不満だと言わんばかりに画面を(世の中を)睨みつけて来る。素晴らしいですね。生きている人と死んでいる人が等価に扱われているようなこの映画の中では、この世のことなのかあの世のことなのか、それが今なのか過去なのか判断がつかなくなって来るんですが、その結末には生死や時間を超えたものがやって来たように感じました。
僕は今、最も刺激的な監督は、福間健二氏だと思います。〉

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前田監督、高田さん、共にご覧頂いた際に熱くツイッターで感想を下さり、監督、スタッフがいたく感銘をうけ、急遽ゲストをお願いしたのです。

「高田くんには、『急にたどりついてしまう』の後、なかなか企画が上手くいかない頃に2〜3本脚本に入ってもらった事があったんだよね」と福間監督。
高田さんは「確か『東京爆弾娘』ってタイトルがありました。プログラムピクチャーをやりたいんだというお話でしたね。実現はしませんでしたが。のちに撮られた『岡山の娘』は、その時の感じとは全く違った作品でしたが、スゴク面白かったです」と思い出のエピソードを披露。

そして福間監督が「前田監督の作品は、自主制作の作品をテアトル新宿の特集上映で観てスゴク良かった。詩にもインスパイアを受けました。これまでは長回しでいったところを、新作の『婚前特急』はカットを割ってテンポを出してたり、いままでの撮り方とは違う作り方に自由さを感じた。女性を描くだけじゃなくて、世界に対して異議を申し立ててるんだと分かってから一段と面白くなったんですよ」と『婚前特急』を絶賛すると、前田監督からも「大切な人を失ったことで、2人が繋がるというシンプルなお話の中にやりたいことを全部ぶつけていますよね。福間監督は、実験的なだけじゃなくて、客観的でもなくて、スクリーンの中に入って行っちゃってる。それがスゴイと思うんです」と返答。お互いの作品に共通する「挑戦的」な香りを感じているようです。

前田・高田IMG_9379.jpg

その後も「89分の作品の中で語られている分量が本当に多い。3時間半くらいの密度があります。シナリオにはどれくらい描かれているんですか?」「全カットが押しつけがましくない。何をOKの領域としているんですか?」「良いと感じたものだけを撮って行ったら、普通は成立しない。なのに何故この映画は成立しているのか?」と前田監督、高田さんそれぞれの観点からドンドン質問があがります。

「シナリオは完成していなくてもクランクインする日は決めていた。だから、未定とか、やってみてとか、考えてもらうとか書いてました(笑)」「それぞれのベストを出してもらえたらOK。たとえシナリオとは逆の表現になっていても、顔が良いとか芝居が成立していたらOKみたいな感じだよね」「画を作るということは、ファインダーを覗くんじゃなくて、感じたことをそのまま撮れば良いんじゃないかと思い始めた。ゴダールの『アワーミュージック』を観て、普通の景色でも「しっかり」見つめることでいけるんじゃないかと。身近な風景が違う次元に繋がるんじゃないかと考えた」福間監督は本当に楽しそうに応えていました。

やがて話題はこれからの映画作りへ。
福間監督は「物語のパターンにもっと飛躍があってもいいのではないか。エンタテ−テインメントじゃないところからエンタテイメントをやると面白くなる。これがゴダールと石井輝男の間で僕が考えていることなんだ」と語りました。
高田さんは「個人を追うだけでなく、その背景にあるもの。世の中と人間を同時にやらないといけないと思っています」と語り、前田監督も「プログラムピクチャーの「いま」の見せ方をやりたいですね。自分が好きな映画に近づこうとしたり、崇めるんじゃなくて、ジャンルの枠だけを借りる。何を足すのか、はみ出していくのか。そこに闘い方があるんじゃないかと思います」と言い切りました。お二人の目は、すでに次をしっかりと見据えているようです。

福間健二、前田弘二、高田亮。この3人の「これからの映画」が楽しみでなりません。

前田・高田IMG_9393.jpg

宣伝スタッフ 加瀬修一
写真撮影 酒井豪

posted by tough mama at 00:06| Comment(0) | イベントレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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