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2011年07月28日

木村文洋監督の言葉

『へばの』の監督、木村文洋さんから『わたしたちの夏』へのコメントをいただきました。

 10年前−−大学生の頃、キャンパスではずっと何かが鳴っていた。この映画、『わたしたちの夏』を体感しつくす時間のように、それは始まりも終わりもなかった。明け方まで続く学食前のサックス、廊下の女子大生の嬌声、看板の文句を叫ぶトラメガの声。
 そして僕はどの音とも関係を持てなかった。誰もが外に出て行った−−映画の現場へ、街へ、就職先へ、出て行った。
 9月11日の日、僕は3回生だった。ニュースを見ながら猥雑とした自分のアパートでトム・ウェイツをかけてやっと一日を終らせてやはりキャンパスには戻らなかった。
 あれから10年、なにも未だに好転はしていない。歩けば歩くほど、奥歯をどんどん噛み締めなければいけなくなっていく。
 それでもこの映画はいま、美しい。肩の力が抜ける。「生きて ある」ことの豊穣さが、すぐ身近にあることを−−真夏の間、思い出せる。
 なぜ わたしたちの誰もが、夏の大学にただ響く、虫の声を採らなかったのだろう。
 しかし仕方が無い、これは福間さんたちの映画なのだ。
 僕らは僕らで、じっと足を止めて耳を澄ます場所を見つけ−−映画を撮ろうとするしかない。
posted by tough mama at 11:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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