topimage-cut.JPG

2011年06月01日

福間健二プロフィール

福間健二(ふくま・けんじ)

1949年、新潟県生まれ。都立大学在学中に16ミリ作品『青春伝説序論』を高間賢治の撮影で監督する。同時に詩を書きはじめ、現代イギリス詩の研究者としての道を歩みながら、詩と映画への情熱を燃やしつづけた。89年、詩と映画をメインとする雑誌「ジライヤ」を創刊。このころから詩が大きな注目をあびるようになり、映画批評と翻訳でも活躍する。首都大学東京教授。
95年、劇場映画第一作『急にたどりついてしまう』を発表。08年には『岡山の娘』を発表し、若い世代の映画作家・批評家たちから熱い支持を受ける。詩論集に『詩は生きている』(05)。詩集に『きみたちは美人だ』(92)、『旧世界』(94)、現代詩文庫版『福間健二詩集』(99)、『秋の理由』(00)、『侵入し、通過してゆく』(05)など。映画関係の本として、『石井輝男映画魂』(92)、『大ヤクザ映画読本』(93、山ア幹夫との共編著)、『ピンク・ヌーヴェルヴァーグ』(96)など。『わたしたちの夏』の公開と同時期に新詩集『青い家』が出る。
posted by tough mama at 00:00| Comment(0) | プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

福間健二のエッセイ1

わたしたちの仕事

 
 1995年、最初の劇場映画『急にたどりついてしまう』をつくったころ、ぼくは女優志望の吉野晶と出会った。いつかぼくの映画に出てもらいたいなあ、と話していたが、そのチャンスがなかなか来なかった。
 2007年、前作『岡山の娘』の企画がもちあがったとき、最初は鈴木一博の撮影で、吉野晶にも大きな役で出てもらうつもりだったが、実現しなかった。吉野晶は、ヒロインの母親の遺影で、写真だけの出演となった。
 2010年7月、鈴木一博とキャノンEOS 5D MARKUのムービー機能を使って作品をつくろうという話になり、一気に企画がすすんだ。
 吉野晶主演。まず、これが決まった。吉野晶を撮る。ついにそれが実現する。宿題だらけの人生で、ひとつ大事な夢をとりかえしたという気がした。
 あとは、順番がはっきりしないけど、首都大学東京の教室で出会った小原早織と、ライヴに何度も行ってファンになっていた歌手の鈴木常吉に出演依頼。かつての教え子で『急にたどりついてしまう』にも参加していた編集の秦岳志にも声をかけた。
 親友のアメリカ文学者千石英世が、首都大学東京に非常勤で教えに来ていた。初めから魂胆をもって、その授業を「見学」した。予想を上まわるおもしろさだった。彼に出てもらい、その授業を作品のなかで再現しようと思った。
 もともと、首都大学東京には、撮りたい場所がたくさんあった。
 主要キャストが決まり、大学の授業を入れることにしたというあたりで、作品の大枠が見えてきた。8月に撮るということから「夏」という主題も浮かんできた。外国人に対して日本人の「わたしたち」、死者に対して生きている者の「わたしたち」、そしてひとりだけで生きているわけじゃない「わたしたち」。そういうことを思って、『わたしたちの夏』というタイトルにたどりついた。
 ただ超低予算だからというわけでなく、自分のまわりにある、いいなあと思っているものは、遠慮なく使わせてもらうというやり方。それしかないと決めていた。
 まず、首都大学東京(学長室)とぼくの属する人文社会系表象言語論分野の協力をとりつけ、学生、同僚、友人たちから協力者をつのっていった。
 脚本づくりには、雨宮史崇と西野方子をはじめ、学生スタッフがアイディアを出してくれた。どうなるかわからない未定の部分をたくさん残した脚本である。
 撮影は、驚きの連続だったというべきか。まず、カメラと彼自身が一体化するような鈴木カメラマンの集中力に感動した。そして、出演者たちは、吉野晶も、小原早織も、鈴木常吉も、カメラの前に立つと、ふだんつきあっているのとはちがう面がどんどん見えてきた。そうなのか。そうなるのか。そういう感じで撮影していった。
 そして、秦岳志との、ドキュメンタリーの秀作を手がけてきた彼とでなければできなかったにちがいない編集作業。1月に次の作品『あるいは佐々木ユキ』の撮影をやったということもあるが、あせらずに、いいかたちが徐々に姿をあらわしてくるのを待った。
 世界は、3・11以後という時間に入っていた。そのころから小川武さんに加わってもらって、音の組み立てを最初からやりなおした。そこで、ぼくは、耳をすましながら見つめるのが監督の仕事なのだと、大発見でもしたように興奮して学びなおした。
 生きていること。その大切さ。作品の全体がそれを確かめようとしている。
 そういう、ぼくひとりだけではない「わたしたち」の思いのつまった作品になったと信じている。
posted by tough mama at 00:00| Comment(0) | 福間健二の作品・エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ストーリー

わたしたちの夏


ヒロインは、東京の郊外に住むアラフォー世代の千景(吉野晶)。自然雑貨の店で働きながら、写真を撮っている。2009年の夏、千景の働く店に、かつて一緒に暮した庄平(鈴木常吉)の娘サキ(小原早織)が現われる。千景は庄平とも再会し、ふたたび親しくなるが、大学生のサキはそれを納得しない。友人の家に居候していた庄平は、千景のところに引っ越してくる。サキのことを気にしながらも、つかの間の幸福を感じる千景。しかし、庄平には危険な影が迫っていた。その一年後、別々の人生を生きる千景とサキに「わたしたちの夏」が訪れる……。

20%IMG_6875.JPG

20%IMG_5920.JPG

MVI_2061 - 2010-08-18 at 16_20_38.jpg

20%_MG_2142.JPG

20%_MG_1737.JPG

20%_MG_2171.JPG
posted by tough mama at 00:00| Comment(0) | イントロダクション・あらすじ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。